四代目のこんにゃく話
2022.02.23
第四十七話 こんにゃくと慣用句
今回はこんにゃくが含まれる慣用句についてご紹介します。
「酢でも蒟蒻でも (すでもこんにゃくでも)」というものがありました。
これは、一筋縄ではいかないもの、どうにもこうにも手に負えないことのたとえで、どうもこうも。煮ても焼いても。のような使い方をするそうです。
歌舞伎・傾城飛馬始(けいせいひめはじめ)の口明※では「彼奴(きゃつ)、新造の癖に酢(ス)でも蒟蒻(コンニャク)でもいけた奴ぢゃない」という形で
使われています。
他にも調べてみると、「酢の蒟蒻の」という言葉も見つかりました。
この言葉は、あれやこれやと文句をつけることをあらわすそうで、四の五のを言い換えた言葉だということがわかりました。
島崎藤村の小説「破戒」の作中では「柄に無い政事上の取沙汰、酢の蒟蒻とやり出したので」という使われ方をしていました。
これらの慣用句は同じ酢と蒟蒻が使われていますが、これほど意味が変わるのかと感心しました。
次回もこんにゃくが含まれる慣用句について調べていこうと思います。
※能楽で、ワキなどがいちばんはじめに出て発言する詞。
酢でも蒟蒻でも
https://kotobank.jp/word/%E9%85%A2%E3%81%A7%E3%82%82%E8%92%9F%E8%92%BB%E3%81%A7%E3%82%82-539385
酢の蒟蒻の
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