四代目のこんにゃく話

2020.04.30

第九話 こんにゃくの黒色と白色の違いについて

こんにゃくの黒色と白色の違いについて

こんにゃくに黒色と白色のものがあるのは、海藻粉が入っているかどうかの違いです。

なぜ海藻粉を入れているかというと、こんにゃくの歴史が関係しています。
日本において700年代頃からこんにゃくが食べられるようになり、その時代は生芋を皮ごとすり潰してつくっていたため、色は黒っぽいものしかありませんでした。
もともとこんにゃく芋はデリケートな植物で東南アジア等が原産地のため、寒冷地での栽培は難しく収穫時期も限定されています。
こんにゃくの大きな転換点となったのは、江戸時代に保存も輸送も便利なこんにゃく粉が開発されたことです。そのため、こんにゃく粉は全国各地域で普及され、こんにゃく粉でのこんにゃく製造がひろがっていきました。
この粉から作るこんにゃくは白っぽく、市場に白色のこんにゃくが出回り始めます。
昔から芋でつくるこんにゃくに慣れ親しんだ地域(東北地方より南)の人にとっては白いこんにゃくは受け入れづらく評判が悪かったよです。そのため、海藻粉を入れ黒っぽいこんにゃくの色に近づけて売られるようになりました。

このことから黒色と白色のこんにゃくの違いは、基本的には海藻が入っているかどうかの違いだけなので、用途やお好みに合わせて選んでいただいたら良いかと思います。